地場産小麦100パーセントの手延べ素麺/製造会議
2014-10-30

地場産小麦による手延べ素麺の製造を手がけている当JAは10月14日、島原市のJA本店で平成26年度地場産小麦製造検討会を開きました。2013年産小麦の状況と、製品の試作製造、2014年産作付け計画などについて検討しました。長崎県で育成され、麺用粉としての活用が期待される「長崎W2号」については、昨年の7ヘクタールの4倍以上となる31ヘクタールに作付けを見込むなど、地場産小麦を使った素麺の製造に力を入れる計画です。

 増田利一部会長ら部会員45人が、南島原市有家町、西有家町内にある各々の工場で製造しています。手延べ素麺に付加価値を付け、「島原雲仙」ブランドを引き上げようと、数年前から地場産小麦にこだわった手延べ素麺作りに着手しました。

 従来の小麦品種はタンパク質含量が少なく、一般的な素麺と同じ製造工程やブレンドでは加工適性やコシの強さ、喉ゴシなど品質に不満がありました。製造技術の工夫とともに麦の品種選定や栽培技術の改善も必要として、麦生産農家、島原振興局、製粉会社とともに検討を続けてきました。

 「ミナミノカオリ」「チクゴイズミ」といった品種に加え、昨年からは「長崎W2号」という新品種を導入しました。今年5月には、初めて収穫した「長崎W2号」を使って製造した素麺の試食検討会を開き、他銘柄の素麺と比較、検討も行いました。12月からは、製品の本格的な製造に向けた試作を始める予定です。

 「長崎W2号」の栽培については、種子には余裕があるものの、栽培農家の高齢化や国の農政転換など今後の拡大に向けて課題が残りました。小麦生産農家の角信行さん(72歳・国見町)は、「今年は天候にも恵まれ、順調に生育した。タンパク質の含量が低い傾向にある。連作による品質低下や、多雨による肥料の流亡も考えられるが、含量を引き上げられるようJAや振興局の指導をいただきながら栽培したい」と話しました。

 当JAの泉義弘組合長は、「「長崎W2号」は、来年は面積拡大をする見込みだが、まだまだ量が足りていない。他品種に比べ作りやすい面もあるので、農家の方には面積拡大を望む。農家、製粉業者、素麺生産者が一体となって頑張って欲しい」と挨拶しました。