こぶれ2018年12月号
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みどりの風著・三軒茶屋ニコ 天皇皇后両陛下には来る十月二十七日の赤坂御苑において御催しの園遊会にお招きになりますのでご案内申し上げます  平成十七年九月三十日    宮内庁長官 羽毛田 信吾  朝長 昭生 殿  同 令夫人 文面に金箔の菊の紋章がある書状をいただきました。 事務的な簡潔なものですが、重みは十分に受け取りました。 十七年のお盆前だったと記憶しますが、社内秘書さんに「天皇、皇后さま主催のエンユウカイのご招待が来ております」。 当初、その意味が分からず「エッ? 舞踏会」、皇族の音楽会と勘違い、秘書の「秋の園遊会です」に語感的に納得したものです。 戸惑いと少々の混乱はあったものの、家人に知らせその雀喜ぶりに「素直に喜ぶべきものか」と。 今でこそ園遊会と言えば時の人、芸能人など出席、両陛下の声掛け、その答えがニュースになり話題を集めますが、その騒ぎは当時と比べものになりません。 当日は前夜来の雨も午前中にやみ、絶好の園遊会日びより和。 記事風に記憶をたどれば、 天皇、皇后両陛下主催の秋の園遊会が赤坂御苑で開かれ、スペースシャトル「ディスカバリー」に搭乗した宇宙飛行士の野口聡一さん㊵や女優の竹下景子さん(52)ら1750人が出席しました。 野口さんは、天皇陛下の「多くの人に夢を与えてこられたんじゃないでしょうか」との言葉に「夢とか思い出となって子どもに生きていけばいいと思います」と笑顔で答えていました。 愛・地球博(愛知万博)で日本館長を務めた竹下さんは、陛下から「半年間、ずいぶんお忙しかったんじゃないですか」とねぎらわれ「でも大変楽しゅうございました」と話していました。 平成最後の園遊会となった11月9日は〝別れ雨〟の中、招待客1800人が、両陛下のねぎらい、いたわりの交流が続きました。 園遊会も来年は代替わりの儀式が続くため、春は開かれず、秋も開催されない見通し。  園遊会は各界の功労者が招待を受けます。 いまだに分からないのが、なぜ筆者が選ばれたのか、です。これと言った功績もなく仕事もしておりませんのに……。 人さまに迷惑をかけることなく、何をやっても一生懸命、要領も悪いのでただ全力投球でした。その愚直な生き方へ天のご褒ほう美びかもしれませんな。 園遊会の一番の思い出はご休憩所で、御料牧場の羊のジンギスカンのおいしかったこと。タレもいい。 空腹児童さながら貪むさぼり食べました。 晴れのモーニングコートでこんなガッガッした様は漫画になりますよ、きっと。園 遊 会2

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