こぶれ2019年5月号
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みどりの風著・三軒茶屋ニコ 5月1日から新時代がスタート。平成30年の歴史を振り返る時、思いつくものは……。 本が大好物なので平成の名作は? 芥川・直木賞には見当たりません。 そう二〇一三年、新潮社から出された文庫本「冬虫夏草」が心に残ります。 梨なし木き香か歩ほなる作者。初めて知った名前、性別・年齢もわかりません。 哲学者・内山節さんの解説が型かた破やぶりでした。「読みながら残りページが少なくなってくると、まだ終わりたくないという気になってきた。この物語は永遠につづいてほしい」。 本屋でこの解説と出会い、550円を払って購入。 ストーリーは別にない。亡き友の家を守る物書きが、姿を消した忠犬ゴローをさがすため鈴鹿の山中に旅に出た。 途中で印象深い邂逅を経験する。河かつぱ童の少年、秋の花実。異郷から来た老女、天狗、赤竜の化身、宿を営むイワナの夫婦など近代が消失させた世界に再び命を吹き込もうとした作品。 泉鏡花の作品にあるおどろ、おどろした世界ではない。 だから現実的に終わって欲しくない作品。独断とへん見も含め平成の名作と。 長崎市で桜(ソメイヨシノ)が全国で最も早い開花宣言。平成の狂い咲き? まさか。 長崎地方気象台が3月20日、例年より4日早く、昨年より3日遅いことを知れば、長崎は南国だったんですネ。 満開は3月末。「全国でトップクラスの春の訪れを感じた」のは平成最後の名残りと言っておきます。 開花宣言の翌日、ぼんやり夜、テレビの観戦。偶然にもこれが米大リーグ、マリナーズの日米通算4367安打の大打者イチロー外野手(45)=本名 鈴木一朗=の最後の勇姿でした。 ゲーム後、イチローは都内で「現役生活に終止符を打ち引退することになりました」と表明。 俊敏な走りや守り、鋭い打撃が見られないと思うと、平成の終わりにふさわしいと、納得するものがありましたよ。 天才打者に遠慮してかマスコミは話題にしませんが、財テク術も線を引っぱったようなレーザービーム。 内容については省略しますが、引退後も堅実な「年俸運用」で1億円プレーヤーであることは間違いないようです。 筆者なんぞ元号が改まってもできる芸ではありません。やはり生まれ変わらないと不可能なようです。 中国の大作家・魯ろ迅じんさんが大正か昭和の初めに書いていた「絶望00に絶望00する」名言をグッと、かみしめるしかないようですね。 平成で思いつくものは、名作、桜の一番乗り、イチローさんぐらいですか。思いつくまま24月24日「お地蔵さんの日」に近所の奥さん方14~15名で、ごちそうを作ってお祭りをして、助け合いをしています。(雲仙市の小浜ララバーさん)ララバーさんの笑っているお顔が浮かびますよ。たいて張り切って作らすとでしょうね。助け合い、大切にしていきたいですね。

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