こぶれ2020年10月号
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「ウンシュウミカン」と長崎県 長崎県の果樹の主要品目となっているウンシュウミカン。いったい、いつ、どこからやってきたのでしょうか。一説によると、最初の渡来地は鹿児島県。今から400~500年も前のことだそうです。長い年月の間に、全国の産地ごと、あるいは市場の需要に適応した品種に選抜されながら栽培されてきました。平成29年の実績で、栽培面積は約3,000㌶、収穫量は5万2,800㌧となっていて、全国5位の産地となっています。主な栽培品種は、「岩崎早生」「原口早生」「させぼ温州」などがあります。 長崎県のオリジナル品種で最も生産量が多いのが、早生ウンシュウの「原口早生」です。県農林技術開発センターで、この「原口早生」を基調として育成されたものが「長崎果研原口1号」です。「長崎果研原口1号」とは 平成30年に品種登録されたウンシュウミカンの新品種です。宮川早生に比べて仕上がり着色が早く、収穫・出荷が早い、食味が良い、着花性が良い、などの特徴を持っています。減酸が早い一方で完着に近まると浮き皮になりやすいという一面もあります。 上は必須となります。同研究会は多くの若手後継者が育っていて、センターは「将来的な方向性、作型について改めて検討する時期にきた」と判断し、新品種「長崎果研原口1号」の導入を勧めてきました。また、この品種の特性を踏まえ①5月出荷を目指したレギュラー加温、②7月から出荷するグリーンハウスに向く品種、として提案しました。 9月10日に南島原市西有家町内にある、昨年春に定植を行った小関世剛さんの圃場で「長崎果研原口1号」の生育状況を確認しました。定植時は30㌢ほどだった苗木も1年半ほどで150㌢以上に生育していて、品種の特性と来年の管理について現地検討会を行いました。 小関さんは「全体の95㌃のうち10㌃に試験的に定植した。今年はさらに増やしていきたい」と話しました。センターの松尾祐次課長は、「今後はますます温暖化が進むことが予想される。農家の収益性、作業分散、労力軽減、農家の健康管理なども含め、新品種の導入と作型について、さらに検討を重ねていきたい」と話しています。▲長崎県農林技術開発センターのHPより5長梅雨と猛暑の中で、いっしょうけんめい作られた梨ですね。去年はどこでも自由に行けたけど、季節は巡って来たんですね。(南島原市/城谷恵子さん)城谷さん、「季節が巡って来た」だなんて、ステキすぎます。文化の秋を感じます。おばさんは、できれば「食欲の秋」は通り過ぎたかです。

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