こぶれ2021年12月号
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宅配の牛乳屋さんから来年のカレンダーが届きました。まだ十月中旬、「エッ?! 節に、早いな」。特大の一枚に月日がまとめられたもの。中央に江戸時代とみられるカラーの歳末風景。ザアーッと目を通すと祭日が多く、東京五輪で消えていたスポーツの日が十月十日にカムバック。これ以上はカレンダーで来年の計画を練るなど楽しみにしている方もおり言及は避けます。ただ歳月は早い、年齢を重ねるにつれ猛スピードのようです。今年はなにがあったと薄くなりつつある記憶をたどりますと、難病の関節リウマチで長大に十年以上、いやもっと長いはず、発症時期も忘却するほど。苦痛になるほどの多量の薬物より、その副作用、白旗降参でうなっていましたよ。こんな季かかりつけ医も「共生を考えた方が楽です」と慰められ、落ち着き、その気になっていました。ところが九月中旬、長大の担当医から「もう薬はいいのでは……」と青天のへきれきの診断。確かに年々、数値はダウンしていましたが……。 「治ったのですか」と半信半疑。「今の状態(数値)なら普通の人と変わらない」と。しばらく熟考。 「いや薬はこれまで通りにして下さい」。治療期間も忘れるほどの病気は最近では友達の心境――愛着もわいてきます。健康な人でも毎日5000個の細胞がガン化する現在。当然のことですが歳をとると免疫の機能が衰え、ガン化した細胞を倒せなくなり、お年寄りがガンになるのは自然なことと思います。医療関係者に聞いても高齢になれば進行は遅くなり、前立腺ガンなど放置しても命とりにならないガンもあるそうです。筆者の年齢になれば手術せず、ガンなども身体の一部として受け入れる選択肢もあるわけです。リウマチが命とりかどうかは別にして上手に付き合うしかないと思っていました。あまり数値を改善しようとすれば、ストレスになり寿命を縮めてしまうのでは……古い友達として付き合うのがベストでしょうな。ただ怖いのは転倒、骨折、寝た切り、介護。腰、ヒザの痛みも家にじっといれば、いつか〝寝た切り〟。この恐怖で毎日一時間以上、路をテクテク。今夏の酷暑も熱中症にならず頑張りました。そんな折、転倒川柳の秀作に出会いました。「こけるのは ギャグだけにして 父さん」「あがらない つま先が」「つまづいて きずついて」――やはり身につまされます。地元テレビで赤ちゃん特集があっていた。小さじ一杯のバニラアイスに、大喜び、笑いがとまりません。観ていた筆者も一緒になって大笑い。今年の最高の大笑いでした。笑門来福(笑う門かには福来きたる)この言葉を読者の皆さんに送ります。良いお年を――。年金こづかい 身より心が 笑いがとまらない         ど   お           2著・三軒茶屋ニコみどりの風

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