こぶれ 2022年2月号
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 「五黄の寅」と呼ばれ、とりわけ強「壬(みずのえ)」は五行説で水を意味二月の節分までは新春ですか。正月ムードも抜け切らないからか。新年号で言い忘れていましたが令和四年は「五黄の寅」。九星気学で最強の運勢とされる「五黄土星」、十二支の中で最も金運が強いとされる「寅年」が重なる年。い運勢を持つと占学で示され、強い運気が、あるそうです。さらに干支では「壬寅」と表記しし、水の流れるがごとく金回りよくなる年とも。もう少し誇張するなら36年に一度の金運奇跡の年と占術では記していますぞ。と、書いてきて「待てよ」、筆者には縁のない話。これまでもこれからも。金運力もなく〝宝くじ〟も最低の百円以外なし。これも最近ではほとんど喉のをならしてあいさつする。ネコも一お見限りです。干支も虎でなくライバル視される竜(タツ)ですからネ。ただ金運力も年とともにパワーが低下することに気づき、医学的にも解明できないのか――体力と金力の相関関係を研究する医療関係者なんていませんよ。話を変え、虎の血は飲むと「神経を壮にし志を強くする」と言われ、脇の両側にある威骨は、威厳をつけるから、官についている時に帯びるのはよいが、無官のものが帯びると人に憎まれると「虎の威を借りるなんとか」です。これは人生訓としてもいい。文政年間、虎の見世物に人気が出ると、ついにネコを染めたものを虎の子と、偽物の虎も出現。顔みしりの虎が出会うとゴロゴロと緒です。そこでネコです。近所の猫好きの人が数十匹飼っていたが、よんどころのない理由で他県に移り、野良猫親子だけが残されました。他の猫はその人に連れられ他県に。放置された二匹の野良の親子猫。結局、エサをやるだけで事は解決。が、問題はエサやりを筆者夫婦が引き受ける羽目に。トラ年ならぬネコ年になりました。五黄の寅をネコに運気を求めるのは場違いのお話。ペットブームで犬と主役をはり合っているネコ。ネコのでき愛ぶりをテレビで派手にやっているのを見ると「……」。ノドをならし「ゴロニャーン」とエサを求めて駆けてくる住所不定の野良ネコに、身なり仕草からしてテレビ出演のペットネコに比べて、やはり、なぁと。意味の無い納得です。人間社会と同様に富裕と貧乏、差別らしきものがあるんですと、この年になって気づくにぶさが情けない。野良ネコへの同情など安っぽい思い上がった上から目線でなく、彼らに筆者自身がどこかで重なる思いがふとするからです。せめて「五黄の寅ト」ならぬ猫にと、たよりにならぬ支援をおくるだけです。新春もトラ参上著・三軒茶屋ニコ        ど    ラ           2みどりの風

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