ハウスミカン新品種を2000本導入
2020-09-15

マルナンみかん部会ハウスみかん研究会は、次代につなぐステップとして、ハウスミカン用の苗木2000本を新たに導入することを決めました。来年春に定植し、早ければ4年後には本格的な加温に入る見通しです。

 部会員14人がレギュラーハウス、グリーンハウス合わせて440㌃で栽培しています。2020年産は暖冬傾向で日照時間にも恵まれたことから、全体的に安定した仕上がりで糖度や食味も良好でした。取引価格も、レギュラーは2年連続でキロ単価1000円超え、グリーンハウスも過去最高の850円/㌔を記録。特にグリーンハウスは、長年目標としてきたキロ単価800円を超えるなど好調でした。

 一方で、地球温暖化や、勢力を増す傾向にある台風の襲来を考えると、今後は高収益作型と作業効率の向上は必須となります。同研究会は多くの若手後継者が育っていて、センターは「将来的な方向性、作型について改めて検討する時期にきた」と判断したということです。

 2018年に品種登録されたウンシュウミカンの新品種「長崎果研原口1号」は、宮川早生に比べて仕上がり着色が早く、収穫・出荷が早い、食味が良い、着花性が良い、などの特徴を持っています。減酸が早い一方で完着に近まると浮き皮になりやすいという一面もあります。センターは、これらの特性を踏まえ①5月出荷を目指したレギュラー加温、②7月から出荷するグリーンハウスに向く品種、として部会員に提案してきました。

 9月10日に開いた現地検討会では、昨年春に定植を行った小関世剛さん(南島原市西有家町)の圃場で生育状況を確認しました。定植時は30㌢ほどだった苗木も1年半ほどで150㌢以上に生育していて、センターの松尾祐次営農指導課長が同品種の特性と管理方法について指導を行いました。小関さんは「全体の95㌃のうち10㌃に試験的に定植した。今年はさらに増やしていきたい」と話しました。 松尾課長は、「今後はますます温暖化が進むことが予想される。農家の収益性、作業分散、労力軽減、農家の健康管理なども含め、新品種の導入と作型について、さらに検討を重ねていきたい」と話しています。