小玉スイカ「マダーボール」、「金シール」を目標に定植が進む
2015-03-26

有明地区営農センター管内で2月上旬から、小玉スイカ「マダーボール」の定植が始まっています。定植直後から低温が続き、1週間ほど生育に遅れが出ていますが、農家は、保温対策を工夫しながら栽培を続け「100%金シール」での出荷をめざしています。

 小玉スイカ「マダーボール」は、有明スイカ部会の部会員60人が13ヘクタールで栽培しています。「金シールは」、部会が独自に作ったスイカの階級を表すもので、糖度、形状、キズの有無など全てに合格した果実に貼って出荷します。差別化を図るために行った「金シール」は、農家の意識喚起にもつながり、昨年産は、約9割が「金シール」のレベルに達しました。今年産は、「100%金シール」を合い言葉に出荷を続けます。

 島原市有明町の松本義光さん(64)は、大型ハウス60アール、ベトコンハウス15アールで栽培しています。2月20日から定植を始め、4月10日ごろまで続ける予定です。大型ハウスでは、すでに苗の定植が終わっており、マルチを張った畝に苗を定植しトンネルで覆ってあります。松本さんは今年、これまでの方法に加えサイド部分を2重カーテンにしたそうです。

 「すきま風が入るを防ぐとともに、外の冷気が中へ伝わりにくくしたところ、ハウス内の温度が1~2℃上がった。手間はかかるが、苗が生長しやすい環境を作り早い出荷をめざすと同時に、高品質なスイカを作りたい」と話しています。

 センターの南里保定職員によると、「低温は出荷にも影響し、例年は4月下旬から出荷しているが、今年は1週間ほどずれ込みそう」とのことで、出荷開始は5月の連休明けになる見込みです。

 出荷は8月中旬まで続き、5万ケース(4玉入り箱換算)の出荷を見込んでいます。南里職員は、「定期的に現地検討会や勉強会を開き、農家の意識を統一したい。全員が同じ品質のスイカを出荷できるようにしたい」と意気込みを語りました。